すんき漬け

お皿に盛られたすんき

木曽の気候風土が生んだ 木曽の味
「すんき」
その美味しさは 木曽でしか

味わえないかもしれません
ぜひ 木曽に来て味わって見てください


すんきとは

「すんき漬け」は長野県の木曽地方に古くから伝わる保存食の一つで、単に「すんき」とも呼ばれます。
木曽御嶽山の山麓に広がる木曽町開田高原、木曽町三岳、王滝村や、木曽川の源流である木祖村を中心とした木曽地方の冬の食卓を彩る漬物です。
漬物と言っていますが、かぶ菜を乳酸菌で発酵させた、独特の風味のある、無塩の漬物です。
昔「米は貸しても塩は貸せるな」という言葉があったくらい塩が大切であった木曽地方で考えられた、先人の知恵が生んだ保存食品(発酵食品)です。
「木曽すんき研究会」では先祖伝来の知恵が生んだ「複数の乳酸菌が造り出す無塩の漬物」と定義しています。

すんきの特徴

  1. きわめて広い領域の植物性乳酸菌が関与している。
  2. 常温型乳酸菌の宝庫(ごく普通の乳酸菌をうまく利用している)
  3. 原料の成分をほとんど変化させることなく保存している食品
    ※昭和25年来の各種調査研究資料より
木曽すんき

すんきの歴史

諸国めぐりの天王寺の和尚さんが宿代としてかぶの種をおいていったことに始まるようです。
約300年前大津の義仲寺で催された芭蕉一門の連句会で、門下の凡兆が詠んでいることや、約150年前御岳登山を普及させた普寛行者50年忌の席で『すんき料理』が出されたという古文書が発見されていますので、当時から名の知れた漬物であったと言えます。元禄年間(1688年頃)芭蕉一門の連句の会の句にすんきが詠まれています。

「花と散る身は西念が衣着て」 芭蕉
「木曽の酢茎に春も暮れつつ」 凡兆

(現代思潮新社 日本古典全集 芭蕉全集 後編 153ページより)

嘉永三年(1848)御嶽山普寛行者の50年の念仏供養の折、王滝村庄屋松原家の料理の献立の中に「すんき」が使われています。(郷土史家:生駒勘七氏調査資料より)
すんきを漢字で書くと「酸茎(すぐき)」と書きます。これがなまって「すんき」となったとされています。

木曽すんき研究会

  • 木曽の伝統的食品である「すんき漬け」の技術と味とを継承し、後世に伝えていくことを目的として、平成9年12月「木曽すんき研究会」が組織され、さまざまな活動が行われています。
    ※会長:北川聰(きたがわさとし)氏 会員105名(平成20年2月現在)
  • 木曽すんき研究会は、木曽農業改良普及センターとともに、すんきに関するあらゆる調査研究、そしてすんき漬けの継承と普及に取り組んでいます。
  • 年一回、より良いすんき作りを目指して、「木曽すんきコンクール」を平成7年より開催しています。 コンクールでは、その年ごとに名人・達人が選考されます。
  • すんきを用いた料理集「木曽のすんき」も発行されています。
すんき関連資料

【問合せ先】

木曽農業農村支援センター(旧木曽農業改良普及センター )
〒397-8550長野県木曽郡木曽町福島2757-1
TEL 0264-25-2230

※資料提供:木曽すんき研究会