まつりの唄

高い山

神輿を担いでいる間に唄う木曽の祝い唄、祭り以外でも結婚式等おめでたい席で唄われます。
唄は、水交会の人が、それぞれ持ち唄をもっていて、唄いはじめ、みんながあとに続き唄います。
昔は、担ぎながら唄われる祝い唄が家ごとに決まっていたそうです。この家にきたらこの唄をうたうというのがあったということです。
しかし今ではその伝承がうすれてしまったといいます。

高い山から 谷底見ればノーイソレ 瓜や茄子の花ざかり ハリワヨイヨイヨイ

目出度座敷の その真中でノーイソレ 鶴と亀とが舞い遊ぶ ハリワヨイヨイヨイ

ここのお家は 目出度いお家ノーイソレ 鶴が御門に巣をかけた ハリワヨイヨイヨイ

鶴が御門に なんと言うてかけたノーイソレ お家繁盛と言うてかけた ハリワヨイヨイヨイ

酒はよいもの 気を勇ましてノーイソレ 顔に五色の色を出す ハリワヨイヨイヨイ

目出度若松 ゆかたに染めてノーイソレ 着せて参らしょ伊勢様へ ハリワヨイヨイヨイ

伊勢へ七度 熊野へ八度ノーイソレ 愛岩様えは月参り ハリワヨイヨイヨイ

おせばおせおせ 下関までもノーイソレ おせば港が近くなる ハリワヨイヨイヨイ

今日は日も好石場が据わるノーイソレ 石場掘れば酒が出るの ハリワヨイヨイヨイ

このおせどにみょうがと富貴とノーイソレ みょうが目出度や富貴繁盛と ハリワヨイヨイヨイ

この家はおねでたいお家ノーイソレ 御門に巣をかけた鶴が ハリワヨイヨイヨイ

鶴が御門に何と云うてかけたノーイソレ お家繁盛と云ってかけた ハリワヨイヨイヨイ

お前百まで私しゃ九十九までノーイソレ 共に白髪の生えるまで ハリワヨイヨイヨイ

さいた盃中見てあがれノーイソレ 中は鶴亀五葉松 ハリワヨイヨイヨイ

婆さどこゆく三升樽さげてノーイソレ 嫁の在所に孫抱きに ハリワヨイヨイヨイ

神 唄

神輿を落とす(休む)時に唄う唄、橋がなかった時代に体を橋の代わりにして神輿を渡した古事にちなむ唄。

おみこしゃわが身を橋にうちかけてしんとろとろとせ

二つの唄がいつ頃から唄われていたのか定かではありません。
神輿を担ぐ祭りには、静かに担ぐ祭り(静)と声を出して元気に担ぐお祭り(動)があるそうですが、この祭りは動であり唄を唄ったのではないかと言われています。
神唄は、今の関所橋のあたりに橋がない頃、自分の体を橋の代わりにして神輿を渡したということからきているそうです。

資料提供:水交会